国語の勉強は、他の教科に比べると「どうやって勉強したらよいかわからない」と感じている子が多いです。
教室に通う子の保護者の方からも「小学校の頃は国語で苦労したことがなかったのに、中学生になったら急に苦手になったみたい」と相談を受けることがあります。
これは珍しいことではありません。小学校時代の国語の学習に、大きな盲点があるのでしょう。盲点に気が付くだけでも、国語力は上がります。
この記事では、中学生になって国語の成績が落ちたと感じているお子さん向けに、国語力を身に付ける対策を解説します。
また、高校受験に役立つテストの点数アップに繋がるテクニックもご紹介しますので、是非参考にしてください。
中学生で国語が苦手になる理由
「小学校の時は国語は「できる」がついていたのに、中学になったとたん、国語のテストの点数が悪くなりました。勉強は頑張っているように見えるのに…」
先日、保護者の方からそんな相談がありました。
保護者にとっては、ショックだったようですが、中学に入って国語の成績が落ちる子はとても多いです。ここでは、その理由を解説していきます。
小学校では漢字のテストが多い
小学校では、授業中の小テストも含め、漢字のテストがとても多いです。
もちろん、漢字はとても大切です。高校受験でも漢字の問題が出題されます。
しかし、高校入試の大まかな出題傾向としては、漢字・文法・古文または漢文・長文読解の4つあり、その中で漢字の配点はさほど高くありません。
中学で行われるテストも、高校入試の傾向に準ずることが多く、やはり漢字ができるだけでは点数は伸びません。
そのため、【記憶する力が試される漢字】は得意なものの、古文または漢文・長文読解で求められる読解力の鍛え方が足りない子は、中学から国語の成績に伸び悩んでしまうのです。
国語の授業では主観を鍛える内容が多い
運動会や遠足・合唱コンクールといった学校イベントがあるたびに、感想文がセットになっています。
多くの小学校で感想文は、国語の授業で取り組み、時間を割いています。
自分の考えを文章で書き、それを人に伝える感想文はとても大切で、高校入試の選考に作文を採用する学校も増えています。
では、何が問題なのでしょうか。
それは、感想文は主観的な見方が中心な文章で、客観的なものの見方を鍛えてはくれないということです。客観的なものの見方に関する指導が行われることはほとんどありません。 |
一方、テストや入試の読解問題では、
- 作者は何と言っていますか?
- 主人公はこの時どう思ったか、30文字以内で答えなさい
という客観的な見方が問われるのです。
客観的なものの見方に関する指導を受けていない子は、どうしても国語に苦手意識を感じてしまいます。
国語力アップには日頃から客観的な見方をすることが大切
客観的な見方ができるようになると、国語が得意になります。
客観的な見方ができるようになるには、日常の訓練が必要です。
客観的なものの見方は、勉強ではなく日常生活の中で、親子の会話の中で訓練が可能です。
夕飯の時などに「今日学校であったこと」を説明してもらうことで鍛えられます。
はじめは、「僕が〇〇して、こうだった」「私が△△して、こう思った」など、自分が中心の話になるでしょう。
人にわかりやすく説明するには、5W1Hが欠かせません。
「いつ?」「どこで?」「だれと?」「何を?」「なぜ?」「どのように?」 |
保護者からは、5W1Hを意識した質問をかけてあげてください。
毎回、全部聞く必要はありません。
しかし、保護者が5W1Hを意識して楽しく会話をしていくうちに、徐々にお子さんの説明にも客観的な視点が加わるようになります。
こうした日々の訓練で子どもの客観的な視点が養われるのです。
高校入試対策を視野に入れた点数アップテクニック(国語)
日常の会話で鍛えられる客観的なものの見方以外にも、国語の点数をアップするテクニックがあります。
結果に表れやすい2つをご紹介しますので、テスト対策にお役立てください。
知識問題は時間をかけて少しずつ
国語には、漢字や熟語といった知識がなければ解けない問題があります。先ほど、配点は高くないとお話しましたが、必ず出題される問題です。
知識問題は範囲が広く、テスト直前の対策では間に合いません。
毎日・1日おきなど定期的に、時間をかけて少しずつ学習を進めることが大切です。
1回覚えた漢字も、時間が経てば忘れます。忘れるものだと理解し、繰り返し学習するようにしてください。
長文読解に慣れておく
テストに必ず出題される問題に長文読解があります。長文読解は、時間をかければ解けるというお子さんが多いです。よく考えればわかる問題も、限られた時間の中で解こうと思うと、焦ってミスしてしまいます。
そこで、長文読解問題には、数多く触れ慣れておくことが大切です。
問題を解くときには、必ず時間を計り、時間内に解けるような練習をしておきましょう。
効率の良い勉強法で国語の成績をあげよう
高校入試では、国語だけを勉強するわけではありません。
しかし、国語力は、日常の会話の中でも鍛えることができます。
点数アップのテクニックを使って、勉強時間だけでなく勉強以外の日常の時間を使って効率良く成績をあげられると良いですね。